Audere Audio



 インピーダンス切り替えという新たな概念とノイズ軽減の為の直流電流の採用、そして綿密なリサーチによりプレイヤーをサポートする新時代のパッシブスタイルのプリアンプがこのAudere Audio (アウディレ・オーディオ)です。


 現代の音楽シーンでは、スタイルの多様性に比例し、様々な奏法や新たな楽器が求められています。それゆえ従来の1本の楽器で全てをこなすというよりも、現在では、複数の楽器を使い分けるという手段が常套かつ主流となっています。
 そうした流れは、プレイヤーのみならず製作家にも当然波及しており、若く有望な製作家は、固有のスタイルを確立しつつも複数の方式を必ずと言って良いほど提示していますが、モードの切り替えによって様々なバリエーションを持ち得るAudere Audioは、そうした需要に対して逆説的にも、ごく自然に生まれて来たものと言えるでしょう。
 プリアンプはあくまで別の存在=副次的要素ととらえ、それゆえポットを介して、アクティブサーキットによる色づけを行っている、現在までに登場した殆どのプリアンプや楽器メーカーとは異なり、Audere Audioはピックアップをプリアンプにダイレクトに接続することにより、インピーダンスのコントロールのみならず、ピックアップの特性にまでその影響を波及させるコンセプトを持っています。
 また、直流電流の採用により、従来のプリアンプが抱えるノイズの問題とも、無縁のものとなっていることも、現代の音楽シーン(外来ノイズの影響を受けやすいレコーディング等)においても頼もしい存在と感じる事のできる一因です(通常のプリアンプは交流電流を採用しています)。
 つまりこのAudere Audioは、固有のキャラクターには汎用性の高さを、数多くの種類にはさらに広がる未踏領域へのアプローチを可能としています。


 

 SLEEK ELITEでは、複数の選択肢を提供させていただいておりますが、モダンな質感と的確な効きを持つArmstrong、楽器の音色やキャラクターを素直に出力する事に最大の重点を置いているNollに対して、Audereは、ローファイなサウンドキャラクターを指向する癖をもつものの、それが決して悪いものではなく、きわめて音楽的かつ良い方向に作用していると実感させてくれるプリアンプです。
 また、ピックアップからの信号と弦振動を同列の情報として扱うという今までにない特性により、きわめてパッシブライクなニュアンスをもったプリアンプと言えます。
 このAudere Audioを手にして感じる事は、合理性と配慮に満ちあふれているということであり、製作者やプレイヤーの多くがこうであったら良いのに、という要求に応えうるものであるということです。


 弊社では優れたピックアップも数多く扱わせていただいており、お客様の楽器の音色に対する改善に関するご質問をいただくことは少なくありません。
 その過程において、プリアンプはあくまで保険、もしくは副次的要素としてお薦めしておりましたが、 このAudere Audioに関しては、その音楽的な癖と他には無い特徴の為、ピックアップの選択と同列に語れるものとしてお薦めさせていただけるプリアンプです。



切り替え可能なモード (Audere Audioでは、3 wayスイッチにより3つのモード設定が、ロータリースイッチによる6つのモード設定(3モードをさらに細分化しています)が可能になっており、以下がそれぞれの特徴です。)


High Z-Mode
 多くのプレイヤ−が一度は持つ疑問の中に、コントロール類を一切スルーした、つまりピックアップからジャックまでをダイレクトに繋いだ状態ではどのような音になるのか、というものがありますが(これは、世界中で最も偉大なベースプレイヤーの一人が採用していることで知られています)、このHigh Z-Modeにすることで、その状態を手軽に体験することが出来ます。
 このHigh Z-Modeでは、ピックアップからの信号をオーディオ的に劣化させる要因である(Pot = 抵抗であるため)、VolumeやBalancer等をスルーした状態を生み出します。そのピックアップとその楽器が本来持ち得るナチュラルな質感には、エレクトリックベースという楽器の音色の美しさが凝縮されています(Audereでは独自の方式の採用により、このHigh-Z ModeでももちろんVolume/Balancerは機能します)。
 
Mid Z-Mode
 一般的なActive Circuitと同様の発想に基づいたコンセプトによる音色変化を生み出すのがMid Z-Modeです。
 それゆえこのモードでの各EQの音色変化や、澄んだクリーンなトーンは多くのプレイヤーにとって、馴染みのあるものと感じられるでしょう。
 またActive Circuitを採用する理由の一つである、ノイズに対する耐性においても優れた力を発揮します。

Low Z-Mode
 Audere Audioの最大の特徴と言えるのがこのLow Z-Modeです。
 音色に深みを与え、同時に低域の再生能力を著しく向上させる特性を持つため、Low-Bはもちろんそれ以下のLow-F#の再生に関しても、明瞭なイントネーションやフォーカスされた音域が実感できるでしょう。
 Active Circuitの中には、低域をブーストすると音量が無駄に上がり、結果として、音色がぼやけたり、ディストーションがかかったように感じられるものがありますが、そのような得られる太さに対する副作用を抑える構造となっています。また、電源部分に起因するノイズの大半をカットするという特性、低インピーダンスによるハムノイズの軽減によるローノイズ設計においても特筆すべきものがあります(Passive Piclupの大半は高インピーダンス仕様によりノイズの影響も受けやすく、この問題を解決する為には、ローインピーダンス化が望ましいものの、ゲインの低下や音質の劣化を招くという新たな問題が生じるのですが、これを最良の形で解決しているのがAudere Audioです)。

 Audere Audioのその他の大きな特徴として、各ピックアップのゲイン調整を独立して行うということがあります。これにより、ピックアップの高さによる音色変化という従来の方式だけでなく、異なる抵抗値や磁界を持つピックアップに載せ変えたような効果を、もちろんそれ自体を交換することなく行えます。
 これらのことを可能にしているのは、従来のプリアンプのように、ピックアップからの信号のみを増幅するのではなく、弦振動そのものも、それと同列の情報として認識するという新しい設計思想による構造です。

 付属のLEDによって常にバッテリーの残量を視認することができ、本来発揮されるべき性能をそれにより制限してしまうことがないようになっています(取り付けなくともお使いいただけます)。




The JZ Models


 プレートタイプのJZ3 Modelには、以下のモデルがラインナップされています。

a. Top Jack Style (JZ3)
 a1: Master Volume + Middle/Balance + Treble/Bass + Z mode Switch + LED + Output Jack
 a2 : 2 Volume + Treble/Bass + Z mode Switch + LED + Output Jack

b. Side Jack Style (JZ6D)
 b1: Master Volume + Middle/Balance + Treble/Bass + 6 Z mode Control + LED
   + Output Jack
 b2: 2 Volume + Treble/Bass + 6 Z mode Control + LED + Output Jack
   (6 Z Modeは、ロータリー)
c. Side Jack Style (JZ3D + Tone)
 c1: Master Volume + Middle/Balance + Treble/Bass + Passive Styel Tone
   + Z mode Switch + LED Meter + Output Jack
 c2: 2 Volume + Treble/Bass + Passive Styel Tone + Z mode Control + LED Meter
   + Output Jack

Top Jack Style
 

Side Jack Style
 


Replacement Capacitors
 High-Z Mode使用時に、キャパシターを交換することによりそれぞれのピックアップの特性を変えることを可能にしています。具体的には、こ れによりピックアップの持っているピークを変化させるのですが、ここまで踏み込めるプリアンプは今までには存在していませんでした。

               

Gain Adjustment
 JZ Preampでは、各EQの周波数に影響する事無く、Gainのコントロールを可能にしています。人間の耳では、低域がブーストされると音量自体は変わっていないにも関わらず、体感する音量が上がったように聴こえてしまう事がありますが、その補正の役割を果たしています(Fender社のJazz Bassであれば、だいたい9:30の方向にすると最適のようです)。

インストール方法
 煩雑なハンダ付け作業を必要としないという簡単なインストール方法も特徴です。下の写真のようにピックアップを緑のコネクターに差し込み固定し、またグラウンド/アースをサーキットの白いリード線と接触、固定し(固定する為のアクセサリーももちろん付属しています)、そのまま楽器に取り付けていただくだけです(取り付け時にはそれぞれのリード線をバッテリーが圧迫しないように気をつける必要がございます)。

取り付けに関する注意点
 JZ Modelsの必要とするキャビティの深さと広さは、通常のFender USAのサイズである1.19"(W) x 1.27"(H) x 5.17"(L)であれば問題ございませんが(通常はFender Mexico, Japanも同様の設計になっています)、メーカーによっては異なった設計のものもございますので、ご注意下さい(JZ Modelが必要とする大きさは、それぞれ1.1"(W) x 1.27"(H) x 5.17"(L)です)。

 またEMG等のActive Pickupとの併用は動作の保証をしかねますので、Passive Pickupとの組み合わせを推奨いたします。

コントロール周波数とバッテリー
 Audere AudioのEQの周波数はそれぞれ下記になっています。
 2 Band EQ : Bass 100Hz +/- 13dB
       : Treble 2.5KHz +/- 14.5dB
 3 Band EQ :  Bass 80Hz +/- 12dB
       : Middle 500Hz +/- 10dB
       : Treble 3.7KHz +/- 10dB

 バッテリーの残量をLEDによって常に視認することができ、プリアンプの性能をそれにより制限してしまうことがないようになっているも新しく親切な機能です。





3ZB Models



 Audereの3ZB Preampでは、幅広い需要に対して対応できるように下記の様々なオプションを用意しており、それぞれがワンオフのような感覚で各楽器に対して最適な組み合わせを選択できるようになっています。

Z Mode Switch :
 3ZB Preampの全てに標準的に搭載される3つのZ Modeを切り替えるスイッチです。


Adjustable Gain :
 各ピックアップのゲインを3ZB Preampによってコントロールします(Low Z Mode使用時)。このことはセットアップ時に大きな威力を発揮し、例えばピックアップを近づけたいものの、それによって歪んでしまったり、また、指が深く入り込まないように、もしくはフィンガーランプ代わりにピックアップを高めにセットアップしている場合等にも、最適な音色バランスを維持する上での有効な解決策になり得ます。

Adjustable Capacitance Loading :
 ピックアップのピークをコントロールする為に通常は、キャパシター自体を交換する必要がありますが、3ZB Preampでは、ピックアップ上面に取り付けられたトリマによって変更することができ、それは各ピックアップに対して独立して行えます。

LED Battery Lebel Indicator :
 Audere Audioは、同一のバッテリーの250 - 300時間までの使用を可能にしていますが、LEDによるバッテリー残量の視認は、電池の交換忘れによるトラブルを防ぎます(18Vでの使用時には約1000時間となります)。
 通常9Vでの使用で全く問題ありませんが、Low Z-Modeをメインで、かつBass EQをフルブーストで使用される方には寄り多くのHeadroomを供給する18V仕様がおすすめです。

Flexible Configuration Options & Highly Configurable EQ:
 Audere Audioでは、お客様の好みに応じて様々な組み合わせのコントロールとEQをカスタマイズできるようになっています。
 A. 1 Pickup
 B. 2 Pickups / Volume + Balancer
 C. 2 Pickups / Volume + Volume
 D. Volume + Passive Style Tone (Concentric Pot)
 E. Bass Solid Pot
 F. Treble Solid Pot
 G. Treble / Bass Concentric Pot
 H. Mid (3 Band Tone Control)
 I. Mid Frequency Switch 3 Band TC (200/500/800 Hz w/ 1SW)
 J. Mid / Bass Concentric Pot
 K. Treble / Mid Concentric Pot
 L. Low Mid (4 Band Tone Control)
 M. High Mid (4 Band Tone Control)
 N. Treble / High Mid (4 Band Tone Control)
 O. High Mid / Treble Concentric (4 Band Tone Control)
 P. Low Mid / Bass Concentric (4 Band Tone Control)
 Q. Passive Style Treble Solid Pot
 R. Active/Passive Switch
 S. 9V or 18V
 
(Solid Pot = シングルポット、Concentric Pot = スタックポットです。また、4 Band時にはHigh Mid、Low Midが選択可能になっています。Active/Passiveの切り替えスイッチ仕様時にはBalancerは、配線の構造上機能いたしません。 )

Pre Wired & Accessories:
 Audere Audioでは、基本的に配線を行った状態での販売を行っておりますので、取り付けに必要な作業も最低限のものですむよう配慮されております。その上、必要な場合には配線に必要な収縮チューブ等も用意されているのは大変な親切な設計です。
 また、ピックアップをプリアンプに配線するという設計のため、ポットへの煩雑な配線等、手間のかかる要素が極力省かれているのは大きいと思います。

Adjustments on the Module Top:
 Audere Audioでは、下記の写真のように4つのトリマをもっており、それぞれキャパシターコントロールとゲインコントロールになっています。


左上より時計周りに
 1. Bridge Pickup用High Z Modeキャパシターコントロール
 2. Neck Pickup用High Z Modeキャパシターコントロール
 3. Neck Pickup用Low Z Modeゲインコントロール
 4. Bridge Pickup用Low Z Modeゲインコントロール


Small Module :
 サイズは縦1"、横2"、高0.55"(1"は約2.54cm)という非常にコンパクトな大きさをもっています。



その他の参考資料は下記になります。

Saound Sampleはこちら≫GO

JZ3のインストールマニュアル≫GO

JZ5Dのインストールマニュアル≫GO

各パーツのサイズ表です。≫GO